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KYOのあけぼの大学「子育て期の女性の再チャレンジ」レポート

サブタイトルは「〜きっかけは週2時間の有償サポート〜」です。

テーマは女性の再チャレンジ支援

全体の流れ

講師の吉田秀子さんが理事を務めるNPO法人「働きたいおんなたちのネットワーク」女性の自立と社会参加を支援することを目的として活動しています。

(*どのような事業を展開しているかは、NPO法人「働きたいおんなたちのネットワーク」のホームページにて詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。)

この団体の概要や設立のきっかけの紹介から始まり、支援活動の経過を中心に「女性の再チャレンジ」というテーマでお話をされました。

会場の様子

場所はガレリアかめおかの2階研修室。受付で講座のレジュメや男女参画事業に関する資料をいただきました。参加者は(多分)子育てが一段落した女性が大勢を占めていたようです。託児室に乳幼児を預けて参加している人は少数派でした。

特に参加者が自己紹介したり意見交換する場はなかったので詳しくはわかりませんが、自分自身の再チャレンジの道を模索する人々というよりは、女性の働き方が問題となる社会的な背景やそれを支援する方法に興味を持って参加された方が多かったのではないかと思われます。

亀岡市は府内初!

国が男女参画基本法を施行したのは1999年6月のこと。その三年後、京都府内の自治体で初の男女参画条例を制定したのが亀岡市でした。国が基本法を定める以前の1997年に、すでに男女参画計画「ゆう・あいプラン」がつくられていたことを考えると、亀岡市は早い段階からの取り組みだったようです。

講座の中でも、亀岡市の条例の前文が明快で非常によい、と何度か触れられていました。以下に抜粋を掲載します。

性別によって役割を固定的にとらえる意識や社会慣習等が根強く残っており、女性の意思決定の場への参画はまだ少ない。さらに、家庭、職場および地域社会においても女性の活動は正当に評価されているとはいえない。このことは、男女の多様な生き方の選択を妨げることにもなっている。

つまり、こうした社会的に作り出された性差によって自分らしい生き方ができない現状を踏まえ、一人一人が尊重されて生きることができるまちづくりへ向けて努力していこう、というのがその内容になっています。子育て期の女性の再チャレンジの難しさは、まさにこの社会的性差によるものといえます。

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女性の再チャレンジ支援のモデルケース

働きたい・・・

結婚、子育て、介護をしているうちにいつの間にか正規雇用から非正規雇用になってしまうという現状。子育てや家事に時間をとられてフルタイムは働けないため、自分の適性とは関係なく、家の近所で時間帯が合う仕事を選らばざるを得なくなり、ミスマッチから転職を繰り返すうち自信をなくしてしまう女性たち。

子育て期の女性がサポートなしに働くことが難しいのはもちろんですが、しかし、働きたいという思いから実際に働き始めるまでにも厚い壁があります。働きたい女性へのサポートはまだなかったそうです。

吉田さんが活動のパートナーである切明さん(現副理事)と出会ったのは1999年。困っているのは私たちだけではないはず、という発想から団体を設立し、法人格を取得したのは翌2000年と急展開でした!

「自分らしく働きたい」そうした女性たちからの「働きたいおんなたちのネットワーク」への問い合わせは多く、説明会にも他市町村から毎回10数人が参加していたそうです。

思いの実現のために

そうして集まる女性たちの「働きたい」という思いの実現のために、居場所作り、ネットワーク作り、ワークシェア(一人がフルタイムで毎日は働けないため、共同で一つの仕事をする)などの形を、事業として展開してきましたが、たくさんのピンチがあったそうです。その都度、工夫したり相手があることでは交渉をしたりして柔軟に切り抜けてきた経緯を聞かせていただきました。

ピンチはチャンス

NPO法人格をとって活動をはじめたときも、理解が得られないこと、広域から会員が集まるために特定市町村のサービスが受けられないこと、資金、資源がないことなどの窮地に立たされました。しかし、ピンチはチャンス。基本に戻ってマネジメントしなおす機会、事業計画について基礎から考える機会と捉え、そのときは、働きたいという思いの実現のために必要なこと、事業の組み立てなどを仲間と電話で2時間でも話していたそうです。夢があった、と吉田さんは言いました。

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いつも情報センサーを働かせておこう

夢は大きく

情報センサーを働かせるために、夢を持つことはとても大切です。いつか、どこかで、〜だったらいいな、ではなく、具体的な夢を。

実現できそうな機会の情報をキャッチするには夢がなくてはね、ということでした。仲間たちと具体的な夢を語り合って、それが実際に実現済みのものもある。今できること、身の丈にあった活動をしながら、夢はますます大きく・・・。事業計画は活かせるときを待って、常に情報センサーを働かせているのだそうです。

周りが見えていますか?

理想は高く、活動は身の丈で。そして活動を展開するとき大切なことは、独善的にならないことです。いくらよい活動をしているからといって理解や協力を求めようとしても、相手にとってメリットがなければつながっていくことはできません。

たとえば、商店街やデパートでスペースを借りてやっている活動では、家賃を払っていますし、宣伝の役割も果たしています。

最初は、商店街での活動が相手にもメリットになるということが理解されず
女性、子どもは福祉の対象であって、営利にはつながらない
という見方が強かったのですが、当時、空き店舗活用して子育て支援をすることが目新しかったせいもあり新聞・テレビなど9ヶ月の間に宇治橋通り商店街の中に設置した広場「つむぎ」は23件もの取材を受けられたそうです。

本来、それだけの露出を広告によって実現させようとするなら何百万単位の費用が必要になるわけですから、この広場事業は商店街にとって大きな宣伝効果をもたらしたといえます。

このように、ちゃんと周りを見て、相手にとってどうか、ということを考えながら活動していくことが必要ですと、おっしゃっていました。

認められたこと

これらの活動が認められ、団体として

  • 平成16年京都府「KYOのあけぼの賞」
  • 平成18年内閣府「女性のチャレンジ支援賞」

を受賞しました。

2005年12月「女性の再チャレンジ支援プラン」が策定され、三つのチャレンジが提言されました。すなわち  

1.上へのチャレンジ 政策方針決定過程に参画し、活躍することを目指すチャレンジ
2.横へのチャレンジ 従来女性が少なかった分野に新たな活動の場を広げるチャレンジ
3.再チャレンジ 子育てや介護などでいったん仕事を中断した女性の再チャレンジ

この「再チャレンジ」ということが国の施策として明確になったことで、

子育て中であっても、介護中であっても働きたいという思いを持ってもよかったんだ!!私たちの活動はこれだったのだ、と再確認されたそうです。

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働き方を見直そう

最後に、週2時間という働き方が再就職へつながっているというお話をされました。

2000年の国際比較によると、女性の社会進出が進めば、出生率だってあがるというデータがあります。なぜ、日本では子育て期の女性たちは働きにくいのでしょうか。子育ては母親がするものという固定観念があるから?地域の子育て環境の問題でしょうか?

現状でいきなりフルに働き始めるのが難しいという子育て期の女性たちに、「働きたいおんなたちのネットワーク」は週2時間の働く場の提供をしています。

キッズサポート(子どもの見守り)、事務スタッフサポートなどのサポートを有償で受けながら、週2時間働くという体験、そして相談できる居場所があることが、実際に再就職につながっているそうです。

目指している社会

男性・女性ともに、仕事と地域(家庭)生活のバランスがとれた生き方ができる社会、男性一人で1.5倍働くのではなく男女2人で1.5倍働くことができれば・・・「働きたいおんなたちのネットワーク」は、そんな社会を目指しています。

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学んだことを形にする

「働きたいおんなたちのネットワーク」は、めったにこうしたセミナーをしないのですが、セミナーをするなら、必ず形にする、とおっしゃっていました。

ここで話したことを形にするための第一歩として、地域おこしのコミュニティサポーター養成講座を案内していただきました。

全3回の講座ですべて受講した人はコミュニティサポーターとして登録し、活動することができるとのことです。

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日時

2006.11.27 13:30〜15:15

場所

ガレリアかめおか 2階研修室

講師

吉田秀子さん
NPO法人「働きたいおんなたちのネットワーク」理事長

参加した感想

私は自分自身の再チャレンジということについてたくさんの課題を抱えています。講座の中でも、子育て期に再チャレンジすることの大変さには一つ一つうなづいてしまいました。みんな同じなんだ、と再確認したところです。

そうした女性たちへの支援策をどのようにすすめていったか、どんな効果が見られたか、ということを紹介されていて、とても興味深かったです。

NPO法人「働きたいおんなたちのネットワーク」は、行政からの委託事業ではなく、自前で家賃を払いながらやっている事業があります。非営利であっても継続していくための問題解決にあたっては、起業の心構えとなんら変わるところがないのだと思いました。(ちょうど2ヶ月前に参加したワークショップ「みんながつながれば10倍効果があがる子育て支援」でのテーマと共通している部分だと思います。)

中でも、商店街の中につくった子育て期の女性の居場所事業(有料)が同時期にオープンした行政の事業(無料)と競合してしまったにも関わらず、民間の非営利団体ならではの差別化が功を奏し、利用者の支持を得ることができたという事例が印象的でした。

また自分たちの理想の追求だけでなく、周囲のメリットを考えながら活動をすすめていく視野の広さが大切であることもよくわかりました。

ただ、自分個人の人生の課題を解決することと社会の課題に取り組むこととの接点がやはり見出せないのです。

地域おこしのコミュニティサポーター養成という話がありましたが、それは再チャレンジの手段なのか、再チャレンジ支援という環境作りなのか。二つは両立するのだろうか・・・?

再チャレンジの道を模索している子育て期の当事者として私が受け取った最も大きなメッセージは、「福祉の対象と見られるのではなく、自分たちで女性はできる、というところを見せていかなくては状況は変わりません」というものです。

目指す社会が実現するまでにはまだ時間がかかります。そのためにできることがあれば、と思いますが自分の家庭も顧みなければなりません。

どうすれば自分の望む形で仕事ができるだろう・・・悩みは尽きません。

頂いた資料の中に、「KYOのあけぼの21」という情報誌(Web上でバックナンバーが読めます)の43号と44号が入っていました。その中に、亀岡市で活躍中の女性を発見!!現在、私が講座でお世話になっているその方を今のタイミングで誌面に発見できたのは、答えを探している「情報センサー」のおかげ。いつもなら集合写真の中の一人の姿を見分けることはできなかったと思います。

私も、自分なりの道をみつけるため、あきらめずに突き進んでいこうと勇気付けられました。

(あみぃご管理人)